10年落ちでも大丈夫?今どきの中古車事情

10年落ちでも大丈夫?今どきの中古車事情_アイキャッチ お気楽カーライフ入門

「10年落ちって、もう寿命じゃないの?」
「そんな古い車、すぐ壊れるのでは…?」

そんな不安を抱えている方にこそ知ってほしいのが、今どきの中古車の“本当の実力”です。
実は、10年落ち前後の車こそ、価格と性能のバランスがもっとも取りやすい狙い目ゾーンなのです。

この記事では、「年式や距離」だけで判断せず、
長く安心して乗れる中古車を選ぶための視点をお届けします。

そもそも「10年落ち」ってどうなの?

古い車って壊れやすいの?そんな疑問にお答えします。

「10年落ち」という言葉だけで「もう古い」と思っていませんか?

ですが、今の車は昔と違い、
10年落ちでも“現役”で活躍できるクオリティを備えている車がたくさんあります。

車の平均寿命と“10年落ち”の意味

  • 現在の車の平均寿命は14〜16年、20万km以上とされています
  • 10年落ちで走行10万kmなら、まだ“折り返し地点”
  • しっかり整備されていれば、あと4〜6年以上は十分現役

昔の車は消耗部品の一部について、交換がとても大変なものがありました。

例えばタイミングベルトが有名です。
これは10万km程度での交換が推奨されています。
しかし、エンジン内部にある部品なので、交換するためにはエンジンを開ける必要があります。
当然整備士の工数が多くなるので、工賃が高額になりがちです。
これが理由で、昔の車は10年落ち10万kmで寿命を迎えるというセオリーとなっていたのです。

この部品は今の車のほとんどがタイミングチェーンという金属製の部品になっており、
10万kmでの交換推奨はありません。

今の車の寿命は、現在の車両時価額を超える修理費用が発生したタイミングと考えられます。

今どきの車は「壊れにくい」って本当?

  • 電子制御技術や耐久性の進化により、エンジン・足回りが格段に強くなっている
  • 一昔前の“10万km=寿命”という常識はもう古い
  • むしろ、昔より壊れにくくなったことで中古車の寿命が延びている

車は数多くの部品を組み合わせることで出来上がっています。
これらの部品の精度が低いと、各部品の間で少しずつ負担がかかります。

技術は日進月歩、今の車部品の精度は昔より良くなっています。
部品精度の向上により、昔ほど簡単には壊れなくなっています

「古さ」よりも見るべき3つのポイント

  1. 整備履歴が残っているか?
  2. エンジン・ミッションに異音や漏れがないか?
  3. 消耗品(バッテリー・タイヤなど)の状態はどうか?

もちろん、故障リスクは新しい車に比べて古い車の方が高いです。
しかし、先述の通り今の車は簡単には壊れません。
オイル交換を中心とした日々のメンテナンスを怠らなければ問題ありません。

年数より「状態」を見たほうが、ずっと正確に寿命を判断できます。

10年落ちの中古車が選ばれている理由

古い車でも良さはある。安い分他に予算を回すのもアリ。

「古い=悪い」ではなく、「古いからこそちょうどいい」
実際、多くの“賢く買う人たち”が10年落ちの中古車を選んでいるのには理由があります。

価格と状態のバランスがちょうどいい

  • 価格帯は支払総額30〜50万円のゾーンに集中
  • 初期費用を抑えつつ、しっかり整備された車を選べる
  • 「まだまだ乗れる車」が多く出回る時期でもある

多くの人は10年10万kmを寿命と考えています。

近年は残価設定型ローンの流行により比較的新しい5年落ち程度の中古車も出回っています。
これらの比較的新し目の中古車を数年前に購入した方が売却する。
このような車両を3人目のオーナーとして購入する選択肢も増えてきていると考えられます。

部品供給・情報が豊富で整備しやすい

  • 国産車は10年以上でも補修部品が潤沢に流通
  • ネットにも情報が多く、DIY派や整備工場との相性も◎
  • 故障しても「調べて直せる」車種が多い

国産車は国内にメーカーがあるので補修部品の確保が容易です。
整備工場に依頼すれば新品パーツはもちろん、
中古パーツ(リビルト品)を探してもらうことも可能です。

また、昔はDIY修理を行うにも手探りでした。
筆者も昔は試しに分解出来るところからやってみて、たまに間違えて壊しちゃって。
そんなことを繰り返しながらDIY修理を行っていました。

今はYoutubeみんカラなどの先人の知恵の保管庫がたくさんあります。
これらを活用することで昔より遥かにDIY整備が簡単になっています。

装備が“ちょうどよく”進化している時期

  • キーレス・オートエアコン・スマートキーなどはすでに普及
  • ナビ・バックカメラ付きも多く、価格の割に快適装備が揃っている
  • 新しすぎて高価、古すぎて快適性が低い…という中間を狙える

古いからってクルクル手回し窓だったり、エアコンレスだったり・・・
そんなことも特にありません。

10年前の新車が今の10年落ちの中古車です。

30代以上の方ならイメージが沸きやすいと思います。
20代以下の方なら、ご両親や親戚の車に乗った記憶を頼りに思い出してみてください。
そんなに古臭いイメージないですよね?

「年式」「走行距離」だけでは判断できない理由

走行距離?年式?どうやって選ぶか悩んでいる男性。

中古車サイトでは「年式」「走行距離」で並び替えるのが当たり前。
でも本当にその2つだけで選んでいいのでしょうか?
実際の“使われ方”や“手入れ状況”が、車の寿命を大きく左右します。

10年落ちでも“5万km”なら安心?

  • 低走行=長持ちする、というイメージは確かにあります
  • ただし、年数が経ちすぎた低走行車は“動かさなかったリスク”もある
  • ゴム部品の劣化・バッテリー上がり・燃料系の汚れに注意

例えば毎年5,000km程度コンスタントに走ってた車はまったく問題ありません。

でも、最初の5年は毎年10,000km走ってて、ここ5年はほぼ不動車だった。
こんなケースではエンジン内のオイルが完全に落ちきっていて、
金属部品が痛んでいる・バッテリーが上がっている・5年前のガソリンがタンクに残っている、
といったリスクが考えられます。

5年落ちでも“15万km”は危険?

  • 走行距離だけで「ダメ」とは言えません
  • 長距離を走っていた法人車両や高速移動メインの車は、
    負担が少なく状態が良好なことも

例えば毎年30,000km走っていたらどうでしょう。
適切なタイミングで消耗品の交換を実施していればまったく問題ありません。

筆者は年間60,000km程度走行していても実際に問題が起きていませんから。

ただし、もしもあなたが年間60,000km程度走行すると想定しているならば、
走行距離15万km程度の車両を選ぶと、1~2年で寿命を迎える可能性があることを
理解したうえで選択する必要があります。

チェックすべきは「使われ方」と「整備履歴」

  • ワンオーナー? 複数所有歴? 法人車?
  • 整備記録簿・車検証の記載内容から推測できる情報も多い
  • 価格だけでなく、「手間とコストがかかっていた車か?」を見極める

ここまで述べてきた通り、一概に新しいから良い、走行距離が少ないから良いと言えるわけではありません。

どのように使い、どのようにメンテナンスをしてきたか。
これらをおさえておくことが大切です。

販売店、整備士の方はプロですから、車の状態を見ればどのように使われていたか推測できます。
遠慮なく聞いてみて、あなたが納得いく車両を見極めましょう。

長く乗りたい人こそ知っておきたいこと

整備士の話を聞いて納得している女性。

「安く買って、できればあと5年は乗りたい」
そんな人こそ、10年落ちの車に対する“正しい見方”と“事前準備”が重要です。

見極めポイントは「サビ・異音・違和感」

  • 見える範囲のサビは塩害リスクあり
  • エンジンを掛けたときに異音があれば消耗部品が劣化している可能性あり
  • 違和感を覚えたら販売店にしっかり確認する

サビてしまっている部品、磨いて落とせる範囲であれば問題ありません。
しかし、サビが広がりすぎてボロボロ崩れてしまうところまで来てしまうと交換以外の選択肢がありません。
目に見える範囲、例えばタイヤハウス周辺を確認したときにサビが多い場合、
雪国や沿岸部で使用、保管されていた車両の可能性があります。

これらの場合、こまめに洗車しないと塩害によりサビが進行してしまいます。

エンジンを掛けてみた際に、普通の車では感じないような音が聞こえる場合は
何かが劣化している可能性があります。
また、その他違和感がある場合も同様です。

これらの場合、販売店に確認してみることをおすすめします。

購入店とアフター整備の相性も重要

  • 格安車両は保証がないことも多い
  • 購入後に頼れる整備工場・ガソリンスタンドと関係を作るのが安心
  • 自分で整備するなら「情報量が多い車種」を選ぶのも手

保証があれば故障時も安心です。
しかし、保証が無い場合や、保証をつけると高額になってしまう場合があります。

このような場合、信頼できるプロ、整備工場やガソリンスタンドを予め見つけておくと安心です。
あなたの使い方を理解したうえで適切な整備やアドバイスをいただけるので、
信頼できる整備工場が見つかるまで、オイル交換などをする際に
あえて毎回近くの整備工場を変えて巡ってみるのもおすすめです。

あなた自身がDIYチャレンジしてみようと考えているなら
インターネットで情報が多く検索できる車種=流通台数が多い車種を探すのがおすすめです。

車検・保険・パーツ入手…維持しやすさの見極め

  • パーツ供給があるか?リビルト部品は出回っているか?
  • 修理費用は高すぎないか?(輸入車・特殊車両は注意)
  • 年式が古くても、「維持費が安く済む車」はたくさんあります

国産車であれば多くの場合問題ありません。
たとえマイナー車種でも、他社種と共通部品を使っていることが多いためです。

まとめ|「年数」ではなく「中身」で選ぶ時代へ

車の状態は古さだけでは語れない。大切に乗っていれば古くてもまだまだ元気。

中古車選びにおいて、「古いからダメ」と決めつけるのはもったいない。
今は、“車の年齢”よりも“コンディション”が何倍も重要です。

10年落ちでも「選び方次第」で十分戦える

賢く選べば、10年落ちでもまだまだ乗れます。
“自分に合った1台”を見つけるための視点を、この記事が持つきっかけになれば幸いです。


次の記事では、車選びの中でもサイズについての考え方を紹介しています。
軽自動車?コンパクトカー?もっと大きい車?
あなたにとって最適なサイズはどのようなものでしょうか。
是非参考にしてみてくださいね。

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