「車を買うお金はなんとかなるけど、維持費っていくらかかるの?」
中古車を検討するとき、必ずと言っていいほど出てくるのがこの疑問です。
実際のところ、車の維持費は生活スタイルや車種によって大きく変わります。
このページでは、車を持つうえで実際にかかるお金のすべてを、分かりやすく図解・解説します。
そもそも“維持費”ってなに?意外と知られていない全体像

車を買うとき、「いくらで買えるか」は比較的わかりやすいものです。
しかし意外と見落とされがちなのが、「買った後にかかるお金=維持費」です。
この章では、そもそも“維持費”とは何か?という全体像から整理していきます。
維持費=毎月・毎年かかる「見えにくい出費」
「車を買う=お金がかかる」と思っていても、
“買った後”にかかるお金の全体像は意外と忘れがちです。
維持費とは、車を持ち続けるために定期的にかかるお金のこと。
毎月・毎年のように発生するため、長く乗るほど無視できない存在になります。
「購入費」との違いを整理しよう
項目 | 購入費 | 維持費 |
---|---|---|
一時的にかかる | 車両本体価格、登録料など | ー |
定期的にかかる | ー | 税金、車検、保険、ガソリン代など |
「車両価格が安ければお得」ではなく、維持費まで含めて考えるのが本当のコスパです。
中古車にかかる維持費の内訳をすべて解説

では実際に、車を維持するためにはどんなお金がかかるのでしょうか?
ここでは、税金や保険、ガソリン代から消耗品まで、ひとつずつ丁寧に内訳を見ていきます。
① 自動車税・重量税
自動車を所有している人は納税の義務があります。
必要となる税金は大きく2つ。
- 自動車税
- 自動車重量税
・自動車税
毎年4月~5月に所有者宛に請求書が届きます。
納税額は排気量、初回新規登録年度によって異なります。
例として、
初回登録が令和元年9月以前、1500ccの普通車であれば29,500円です。
初回登録が平成27年4月以前、軽自動車であれば10,800円です。
・自動車重量税
車検時に2年分、新車登録時は3年分を支払います。
自動車重量税の名の通り、重量が重くなるほど納税額が高くなります。
また、初回登録からの経過年数が増えるほど(古くなるほど)高くなります。
エコカー減税に該当する場合であれば安くなります。
例として、
エコカー減税に該当しない、初回登録から13年未満の1.5トン以下の普通自動車であれば
24,600円/2年です。
エコカー減税に該当しない、初回登録から13年未満の軽自動車であれば
8,200円/2年です。
いずれも、詳細は国土交通省の情報をご確認ください。
② 車検費用
車検は自家用車であれば2年に1回(新車初回車検は3年間有効)です。
車検は大きく3つの費用が必要となります。
■法定費用
- 自賠責保険
- 自動車重量税
- 印紙税
自動車重量税は①で解説しているためここでは省略します。
・自賠責保険
車検を受けるタイミングにより24か月or25か月分(新車の場合36か月or37か月分)の保険料を納めます。
例として、
普通自動車で24か月分納める場合17,650円です。
軽自動車で24か月分納める場合17,540円です。
・印紙税
普通自動車か軽自動車か、車検を依頼する場所が指定工場か認証工場かによって変化します。
例として、
普通自動車の車検を認証工場で行った場合2,600円です。
軽自動車の車検を指定工場で行った場合1,900円です。
いずれも、詳細は国土交通省の情報をご確認ください。
■車検基本料金
車検基本料金は、依頼先に支払う費用となります。
一般的に、基本整備費用、代行費用、書類作成代金など
車検を行うために必ず必要な費用をまとめたものとなります。
車検を依頼する工場によって費用が変わりますので事前見積もりをとるようにしましょう。
③ 自動車保険
自動車保険は、自賠責保険に上乗せで加入する任意保険です。
保険料は、保険会社や車両、年齢、走行距離など様々な条件で変化します。
気になる保険会社数社で見積もりを取ることをおすすめします。
- 自賠責保険の補償額を超える損害賠償
- 交通事故被害者の所有物を壊してしまった
- 自分自身のケガや車の修理費など
このようなものは自賠責保険では補償されません。
自賠責保険の補償範囲は交通事故被害者本人に対するケガ・死亡時の損害賠償に限られ、
その上限額も低めに設定されています。
そのため安心してカーライフを楽しむためには自動車保険の加入をお勧めします。
④ 駐車場代・ガソリン代
駐車場代はお住いの地域によって相場が大きく異なります。
不動産会社や月極駐車場検索サイトなどで事前に調査しましょう。
ガソリン代は燃費と走行距離、ガソリン単価で試算出来ます。
走行距離は一般的に年間5000~10000km程度と言われています。
ご自身の利用目的や利用頻度からどの程度走行するかシミュレーションしておきましょう。
また、欲しい車の実燃費を事前に調査、
ガソリン単価は近隣のガソリンスタンドの価格を調査しましょう。
ただし、ガソリンは時期や世界情勢など、様々な要因で相場が変動します。
ある程度余裕を持った予算を想定しておくことをおすすめします。
⑤ タイヤ・オイルなど消耗品交換
消耗品は経過年数や走行距離によって交換が必要となります。
各種消耗品類の費用は、車種や使い方によって大きく変化します。
一概にいくら程度とは言えませんが、
例えば私が年間6万km走行した際には
・タイヤ代 約4万円
・オイル代 約4万円
・その他消耗品 約2万円
約10万円ほどでした。
通常の利用であれば年間1万km前後かと思いますので
ならして年間2万円前後と考えて問題ないと思います。
⑥ 故障修理・部品交換など突発費用
年式の古い中古車を選択した場合はある程度予算を見ておきたい項目です。
軽いものであれば1~2万円程度の修理費で済みますし、
高額なものであれば10万円以上の修理費となる場合もあります。
経験上、そこまで高額の修理費になるケースはほとんどなく、
中古車購入時にしっかり状態を見極めればリスクを軽減することが出来ます。
例えば、エンジンをかけた時に異音や不安定な振動など、
気になる点があれば販売店に確認するのが良いと思います。
重ねてになりますが、読めない費用なのである程度予算を見ておくと安心です。
どれくらいかかる?維持費の月額シミュレーション

「維持費の内訳はわかったけど、結局いくらかかるの?」
そんな疑問にお答えするために、実際の車種を想定した月額換算例をご紹介します。
軽自動車の場合(例:ダイハツ ムーヴ)
項目 | 月額目安 |
---|---|
自動車税/重量税 | 約1,000円換算 |
車検費用(2年で分割) | 約3,000円 |
任意保険 | 約4,000円 |
ガソリン代(10km/L・月500km) | 約8,000円 |
合計 | 約16,000円/月 |
コンパクトカーの場合(例:フィット)
→ 約20,000〜23,000円/月
ミニバンの場合(例:セレナ)
→ 約25,000〜30,000円/月
新車 vs 中古車で差が出るポイントはここ!
- 新車は整備費用が少なく、故障のリスクが低い
- 中古車は購入費が安い反面、突発修理の備えが必要
維持費を節約するためにできること

車を持つ以上、まったくお金がかからないということはありません。
しかし、ちょっとした工夫や考え方の違いで月々の出費は驚くほど変わってきます。
保険料を見直す
自動車保険に加入する際には、複数社で見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。
補償内容が同じでも、各社付帯サービスで差別化を図っていることもあります。
一般的に保険料は代理店型に比べてダイレクト型(インターネット型)の方が割安な傾向があるようです。
代理店型には、事故の際にサポートしてもらえるなどの利点があります。
DIYや整備工場を使い分ける
エンジンオイルや灯火類、タイヤの交換など、簡単な作業は
ご自身で行うことで、作業予約の手間や工賃を削減することが出来ます。
ブレーキやエンジン回りの部品交換は安全にプロに任せる、
簡単な消耗品はDIYにチャレンジする。
といった選択肢を持っておくのも一考です。
燃費と走り方でガソリン代が変わる?
ハイブリッド車や車両重量が軽い車、背の低い空気抵抗の少ない車は燃費が良くなる傾向にあります。
それだけでなく、前方の信号が赤なのに無駄にアクセルを踏まないなど、
あなたの工夫で燃費を改善することも可能です。
燃費計とにらめっこしながら記録にチャレンジするのも面白いですよ。
「必要なところにだけお金をかける」考え方
上級グレードの車の方が良い、装備は豪華なほど良い、室内空間が広いほど良い。
より良いものを選びたくなる気持ちはわかります。
でも、冷静に考えてみてください。
例えば、
市街地走行がメインなのに車体の大きい車にあこがれる。
近距離走行がメインなのに電動リクライニングにあこがれる。
これらは後から振り返ったら「必要なかったな」って思うかもしれませんね。
長距離移動が多いから、休憩時間を快適に過ごすために大きい車にしよう。
近所の買い物メインだから、小回りの利く軽自動車の方がいいな。
その分、万が一に備えて保険は充実させておこう。
こんな風に、必要なものに絞って候補を決めるのもひとつです。
まとめ|維持費を知れば、無理のないカーライフが始まる

ここまで読んで、「意外となんとかなるかも」と思えた方もいるかもしれません。
大切なのは、感覚ではなく「数字」で把握すること。
正しい知識が、無理のないカーライフへの第一歩です。
「車は高い」は誤解かもしれない
カーライフにかかる費用は、大きく以下の2つに分けられます。
車両本体を購入するときの「支払総額」
車を所持している間に必要な「維持費」
これらのトータルコストで判断することが大切です。
あなたが求めるものを整理して、無駄のない選択をすれば、
きっと夢のカーライフが待っていますよ。
正しい知識と見通しがあれば、安心して買える
維持費が見えると、車選びの基準も変わります。
「安心して維持できる車」こそが、あなたの“最適な1台”です。
補足:この記事で紹介した金額の根拠について
本記事の費用目安は、以下のような一般的な実勢価格・制度データをもとに構成しています。
- 自動車税:軽自動車で年10,800円、普通車は排気量別(例:1.5Lで30,500円)
- 車検:整備内容によって差がありますが、軽で5〜7万円、普通車で7〜15万円が目安
- 任意保険:年齢や等級により差がありますが、月3,000〜10,000円で試算
- ガソリン代:160円/L×走行距離×燃費で計算
- 整備費:突発的な修理に備え、年間1〜3万円の予備費を想定
なお、本記事では「10年落ち・10万km前後の中古車」に乗るケースを前提としています。
実際の維持費は車種や使用環境によって変動しますので、あくまで目安としてご覧ください。
次の記事では、支払総額を50万円以下で納める具体的な方法を紹介しています。
是非こちらもご覧ください。
コメント